見た目のデザインだけならいいですが、日々生活をおくり長い間住む住宅は、建てる環境により大きく条件が変わります。
たとえば雪国の新潟と南国の宮崎では、まったく条件が違います。この記事を読まれるのは新潟の方がほとんどだと思いますが、宮崎出身の人に聞くと「地元を離れるまで、本物の雪を見たことはなかった」という声もあるぐらいですから・・・。
この記事では雪と住宅、とりわけ気になる屋根との関りについて解説していきます。
1 新潟の雪
2 住宅の屋根と積雪
3 新潟での対応
4 まとめ
気象庁のデータによると、新潟の1月はほぼ毎日雪が降っている状態です。そして新潟県全域が豪雪地帯であり、18市町村は特別豪雪地帯にも指定されています。
以上は一般的な気象状況ですが、建築では「垂直積雪量」に注目することになります。垂直積雪量とは、建築物の雪に対する安全性に関する基準で、地域により定められています。新潟市内だと1~1.2メートル、山間部だと3メートルを超す地域もあります。
実際に1晩で1mを超す雪が降り積もったという報告も、冬には多く聞かれます。もしもの時にこれ以上積もった場合のことも、新潟の家づくりでは考えた方がいいかもしれません。
実際に十日町市のホームページでは、3mまで積もった雪に耐えられる住宅に関する紹介があるほどです。
屋根は何もしなければ、他からの影響を受けることなくそのまま雪が積もっていきます。そうなるととんでもない重さになりますので、雪下ろし作業をする必要が出てきます。ちなみに雪の重さは1cmで約3㎏、つまり1m積もると300㎏といいますから、すごい重さですね。これは標準的な数値で、含んでいる水分量などにより実際の重さは変わってきます。屋根に積もった雪は自分の家だけでなく、近隣や通行人にまで害を与えてしまうこともあります。実際に雪が落ちてきたことによる訴訟というのも、複数おこっています。
これを防ぐための雪下ろしですが、作業は重労働で毎年のように事故に関するニュースが流れてきます。そこでこれを軽減するためにも、屋根を工夫する必要が出てきます。
新潟県では、「克雪住宅(こくせつじゅうたく)」が多く建てられています。克雪住宅とは、雪下ろしの必要がないように工夫して建てられた住宅です。3つのタイプがありますので、それぞれについて解説していきましょう。
強度を工夫した住宅です。構造を強くすることで、積雪に耐えられるようにしています。敷地に余裕がない場合に適します。構造に関わるので建築費が多くかかる反面、維持費は少なく済みます。
屋根の角度を工夫して、雪が自然に落下する造りとなっています。また落下した雪が地面に積もりますので、住宅の基礎を高くした高床式の住宅も見られます。雪が落下してくるので、敷地に余裕がある場合に採用される方法です。建築費は床の高さにも手を加えると高くなります。
電気やガス、灯油など何らかの熱エネルギーを使って、屋根の雪をとかす仕組みを持った住宅です。敷地に余裕のない場合に多く採用されます。建築費は少なく済みますが、設備のメンテナンスなどを必要とするため維持費は多めです。リフォームでも採用しやすい方式です。
新潟県では、克雪住宅に関するガイドブックの配布をホームページ上でもおこなっています。
同じ新潟県内でも、エリアによって積雪の深さは大きく変わります。また屋根に積もった雪への対応を誤ると、事故にもつながりかねません。ですから住宅は十分にその地域に知見がある所へ依頼をするのが、ベストと言えるでしょう。
ただし雪への対処という条件面はありますが、家を持つあなた自身の希望を叶えるというのも実現させたいところです。この記事のタイトルにある、屋根への積雪2メートルを実現させている設計事務所の事例もあります。
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豪雪地帯での家づくりということを考えつつ、自分の建てたい家のイメージもきちんと伝え、ベストなものを相談しましょう。
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